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森の詩
都会では夏の匂いがまだあちらこちらに残っていた十月の初め
標高が二千メートルに近い森の中は朝夕の気温が十度を下回っていた
体に触れる空気は一瞬ブルッとするような冷たさを感じる
陽の光は頼りなさげに木々の隙間から僅かにこぼれ落ちていた
そこかしこで束の間の生を謳歌するかのような詩が聞こえている
だが時は去りゆく季節の僅かな感傷さえも無常に消し去ろうとしていた
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２０１０・１０・２7