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松本で見つけた夏
今年も七月になるとぐぐっと暑い日がやってきた
その暑さでこの夏も猛暑かと覚悟を決めた
しかし八月に入ると雨やら曇りやらの日が続く
夏らしい暑さが戻ってきたのは二十日を過ぎてからである
夏雲を見ていたら気分を変えたくなって電車で松本に出掛けた
改札を出て階段を下りると駅前広場は工事中で様子が変わっていた
余力を貯めていたのか夏は強烈な日差しをあたり一面に振りまいていた
暑さを刺激的に感じながら当てもなしにぶらぶらと歩き出した
松本は古い城下町の良き面影を残している町だと思っているが
近頃この町も古い衣を脱ぎ捨てるかのように次第に街に変貌している
便利で快適という価値と引き換えに消えていく古いもの
捨てるときにはこれから手に入るものが一番良いと大方の人は考える
だが価値は不変ではなく時代の流れの中で常に新陳代謝の如く変化していく
額から流れ落ちる汗を拭きながら
時を生き抜いてきたこの景色がいつまでも残っていてほしいと思った
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２０１１・０9・20