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上高地・徳澤で見つけた秋色
春にニリンソウやエゾムラサキなどが咲いたばかりと思っていたが、
季節は春から夏、夏から秋へと、時の瞬きが徳澤を秋色に変えていた。
碧い空をうろこ雲がゆっくり移動するのを見やりながら色に拘って考えた。
人の目で見た事象をカメラの眼はそれを見たままに写し撮ってはくれない。
カメラに付けたレンズの機能を熟知しそれを操っていかに具現化するかだ。
まず広角レンズで赤や黄色の葉の秋色を周りの樹木と組み合わせ逆光で。
その後１００ミリのマクロレンズで開放値を使いボケを多様して撮ってみた。
陽ざしは揺れる葉の隙間から出し惜しみでもするかのように散光していた。
翌朝移り気な空模様が黄葉仕懸かったカラマツの枝葉に雫をつけていた。
峰の向こうから足早にやってくる冬将軍の足音が今にも聞こえそうであった。
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２０１４.１０.２２