晩秋・上高地


開山の頃は冬の凍りから解き放たれた草木の歓喜が芽吹き色になった
それから半年が過ぎると山の向こうから冬の足音が刻々と聞こえてくる
十月の下旬のある朝の気温がマイナス６度木々は霧氷で覆われていた
霞沢から陽が差してくると枝についた霧氷の小さな粒がキラキラ耀いた
春から夏そしてもう晩秋、日捲りカレンダーを捲るように時は留まらない

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２０１５．１１．０５